TOP > Leaves目次 > [VOL.63]10倍楽しく買い物する方法
10倍楽しく買い物する方法
今回でスミスのコラムは30回目を迎えます。一回一回はそんなにボリュームがあるわけではないのですが、それでも原稿を書くのは結構大変なんです。写真を撮影したり、時にはメーカーや関係先に画像を借りられるように交渉したり・・・。でも何より大変なのはネタ探しです。この点は、ほぼ交代でコラムを書いてもらっているアンディも毎回頭を悩ませるところです。そこで今回は、たまには少し楽をさせてもらって、自分の得意分野のお話をさせてもらおうかと思います。ちょっと小難しいところもありますが、販売のお仕事の基本的なお話なので、雑貨好きな方にはちょっと興味を持ってもらえるのではと思います。

10倍楽しく買い物する方法 10倍楽しく買い物する方法お店を作る時に、何をどれだけ扱うかを決めた後、ある程度大きなくくりで配置の仕方を割り振る事を、ゾーニングと言います。このゾーニングこそが、売上の大きな戦略を決定する骨組みのようなものなので、充分に検討されます。どのカテゴリーのアイテムをどれぐらいのスペースで、どの位置に配置するか、お客様の買いまわりの順番を想定しながら、同時に、お客様の店内での動きをコントロールして、よりよいお買い物をしていただこうというストーリーをここで作るわけです。
売れる商品を揃えるだけではダメで、いかに買いやすく売れる売場を作るかが、スタッフの腕の見せどころです。

10倍楽しく買い物する方法 10倍楽しく買い物する方法身近なコンビニを例にとれば、通常は入ってすぐ横に雑誌売場、最初の什器にお菓子か洗面・コスメ雑貨があるのが定番です。お客さんの動き方は、ある程度想定されたパターンが存在します。皆さんも、いつも使うコンビニで、たいてい同じ動きをしているはずですよ。

そのパターンがもっと際立っているのが、食品スーパーです。入口近くから壁沿いに生鮮野菜、次に肉、次に牛乳や豆腐、最後に惣菜などが、定番パターンのひとつ。毎回買うものは壁沿いに一回りするだけで揃うようになっています。逆に、たまにしか買わないものは、店内中央の島になっている什器にあるわけです。
色々見ていくと、洋服屋さんなら、店内を大きく左右に区分して、メンズとレディースに分けたり、本屋さんなら雑誌が店頭にあったりと、ある程度のセオリーが存在します。
このゾーニングはショップの中だけでなく、ショッピングセンター全体のなかでのショップの配置の仕方にも同様の事が言えます。大きなレベルでは、ショッピングセンターの中で、どの位置にどのショップを配置するか。さらにショップの中で見れば、どの位置にどのカテゴリーのアイテムを配置するか。さらに小さなレベルでは、ひとつひとつの什器の中でも、どの位置にどの商品を陳列するか。といったように、大きなレベルから小さなレベルまで、重層的にすべて良く考えられて配置されています。詳細はそれぞれ企業秘密の部分もあるでしょうが、どこのショップでもかなり研究されているはずです。

10倍楽しく買い物する方法 10倍楽しく買い物する方法 ひとつの什器の中でも、特に大切なのが、エンドと呼ばれる先端部分です。最近では、買い物アドバイザーみたいな人がワイドショーで、「ここに置いてあるものがお買い得です」
なんてことを言ってる、あの場所です。アメリカのWal☆MartやKmartお得意の手法で、日本でもGMSやドラッグストアなど、価格訴求中心のショップではすっかりおなじみですね。私は、スーパーに買い物に行くと、必ずお菓子の山の前で手が伸びてしまいます・・・。なにやら買わずにはいられないパワーがそこにはあるんです(言い訳?)。
このエンドは、先端部分ということでお客様の目に付きやすいので、別に特売専用のスペースではなく、その時にお店が見せたい、または売りたい商品が陳列されています。

またまた身近な例のコンビニで言えば、お店に入ってすぐの什器のエンドがおもしろいです。たとえば2月前半ならバレンタインのチョコが、夏なら花火が陳列してあったりします。これは、お客様が入店して一番最初に目に付く場所に、そのシーズンのイチオシを配置するという分かりやすい例ですね。
10倍楽しく買い物する方法個人的にはコンビニのエンド商品を買う事は少ないのですが、ひょっとすると店内通路が狭いので、逆にエンドが見づらい場所になってしまっていることが原因かもしれません。店舗によって様々な条件があるので、簡単にコレが正解と言えないところが、ゾーニングや陳列の奥深いところです。

どのお店でも、エンドの大切さは同じですが、ひとつだけ違うことがあります。スーパーで大切なのは「おー!安い!」という価格が求められる面が大きいですが、雑貨や服飾の専門店では「キャー!かわいい!」とか「オー!スゲー!」といった感動や共感が求められる面が大きいんですよね。(もちろん安い方がありがたいですけどね・・・)
だから、私たちのショップでも、bao-babだからこそというアイテムをお客様に紹介できるように、これからも頑張っていきますよー。

結局雑貨の事は企業秘密なのであんまり書けませんでしたが、いかがでしたでしょうか?色々なセオリーをわかって売場を見ると、そのお店の考え方やお客様の様子などが、とても良く見えてくるので、面白いんです。陳列場所やスペースを変えただけで、売上も大きく変わったりするわけですから。
だから、ショップの配置や、ゾーニング、エンドに陳列してある商品の提案のしかたなど、どこに行っても、気になってしょうがありません。ただ、あんまり夢中になると、買い物中に、「おー、なるほどねー」とか「えぇっ、それは無いでしょ!」とかブツブツ言い出したりして、まわりのヒンシュクを買う恐れがありますので、どうか皆様ほどほどに・・・。

スミス
1975年 東京生まれ。
雑貨店勤務を経て、現在はbao-bab.net立ち上げに全力投球中。
モードとサブカルチャーに深い造詣をもつ。 独特の感性でユーモアたっぷりに語る“スミス・ワールド”のファンは少なくない。
趣味は、河川敷でのフリスビー。

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